鬼監督
今週のお題「怖い話」
中学二年生の秋、県内三位の強豪バスケ部の一員として、毎週末のようにある練習試合に私はその日も行っていた
強豪なので当然のように監督は鬼のような人で、私は試合に出れば何かしらのことで怒鳴られていた
これは私だけというわけではなく、チームメイトはほぼ全員怒鳴られていた
この日は監督の気分がいつも以上に良くなかったのか、起こる回数がいつもよりも明らかに多かった
この日の対戦する相手の中で最も強い相手との試合の前半で10点差以上つけられて、ハーフタイムにやはり監督は怒っていた
私たちをベンチの橋に集めて大きな声で怒鳴り散らし、試合に出ていた五人を監督は右から五人の肩にパンチをしていった
しかしなぜか五人目の子にはビンタをしてハーフタイムが終わった
結果的にこの試合は後半の快進撃もあり、快勝することができた
そして次の日
ビンタされた子が学校を休んだのである
理由は通院
実はその子はもともと耳に持病を抱えていたらしく、昨日のビンタによって片耳が聞こえなくなったらしい
私たちは、これでこの監督がこの学校から追放されると思っていた
この監督は体罰をよくしていたのである
例を挙げると
肩パン
ビンタ
ペットボトルを投げつける等
あと暴言は日常茶飯事である
パイプ椅子を投げ倒したりして威嚇してくることもある
なので私たちはやっと解放されると思い込んでいたが
ビンタされた子の母と監督が話し合った結果
なんと監督は次の日から何事もなかったかのようにいつも通り部活に来た
私たちは怖くてビンタの件について直接聞くことができなかった
暴力の事実をうやむやにする教員の闇を見たという怖ーい話である